wpmaster/ 12月 10, 2020/ 障がい者就業支援
精神障害者と診断されると、誰しもショックを受けたり辛い思いをしたりするはずです。「自分には将来がないのではないか」とまで考える人もいるかもしれません。しかし精神障害になっても仕事で活躍できる場はたくさんあります。ここでは精神障害者と診断された人に向けて、就職と復職に関するアドバイスをご紹介します。すでに診断されて人だけでなく、これから受療しようとしている人にも参考になると思うのでぜひご覧ください。
精神障害とは?
精神障害とは、うつ病、依存症、解離性障害、強迫性障害、睡眠障害、摂食障害、躁うつ病、適応障害などの総称です。
このように種類がたくさんありますが、明確な原因や症状がわかっていません。ですから、今の所精神障害の統一された定義はないのが現状です。
国際的な診断基準においては、知的障害や発達障害も精神障害の枠組みに入っています。症状の程度も人によって個人差があります。症状が軽い場合は服薬などにより、健常者と同じように日常生活・社会生活を送れることもあります。反対に、重い人の場合は妄想や幻聴が激しく普通の生活が困難であったり、他人との意思疎通が難しかったりします。場合によっては長期の入院が必要になるケースもあります。
日本では精神障害者をサポートする法律がいくつかあります。その1つが精神保健福祉法です。同法律では、精神障害がある人の医療と保護や、社会復帰、自立促進のための援助などにより、精神障害者のための福祉の整備や精神保健の向上を目的としています。詳しい制定の目的や内容は以下の厚生労働省ページを参考にしてください。
【精神保健福祉法について】
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/4_04_00law.html
精神障害と診断されて就職する
上記の法律でも説明されているように、精神障害者の「社会復帰」や「自立促進」は行政からしっかりとサポートされています。民間のサポートも含めた、就職するために活用すべき方法は以下の3つです。
○精神障害者専用のハローワーク窓口
ハローワークは、自分が住んでいる地域にある公共の職業安定所です。
ハローワークには障害者専用の窓口が設置されています。専門の職員や相談員が常駐しているため、求職の申し込みから就職後のアフターケアまでサポートしてくれるというメリットがあります。また本人の希望や適性によっては、障害者限定の求人だけでなく、一般求人への応募が可能な場合もあります。
利用するには精神障害者手帳の持参が必須で、ほかに主治医の診断書や意見書(ハローワーク書式)が必要となる場合があります。
○精神障害者に特化した就職サイト
民間企業が運営する就職サイトにも、精神障害者の求人に特化したものがあります。
精神障害者へのマッチ率が高い求人が多いのはもちろん、合同説明会の案内や就活アドバイスを無料で受けられるサービスを提供している就職サイトもあります。
○就労支援施設
障害者の自立や社会参加に向けて、知識や能力を向上させるための訓練を行う施設です。
ビジネスマナーやPCスキルの向上といったサポートから、就職活動の支援も行ってくれます。
民間もしくは行政が運営するもの両方があります。また民間の就労支援施設でも行政と連動しているところが多いので、どこがベストか迷う場合は、市(区)役所などの窓口に相談しに行くといいかもしれません。
精神障害と診断されて復職する
同じ職場に復職すること自体はそれほど難しくありません。難しいのは復職後に継続して仕事を続けることです。
精神を病んでしまった原因が残っていたり、自分の体力や気力がまだ回復していなかったりすることで、再び休職してしまう人も少なくないからです。再発のリスクを防ぐためには、復職する前に会社や上司と原因や今後の仕事への関わり方を話し合うことが重要です。
まずは会社に医師の診断書を提出します。その後、「業務量を半分から始める」、「通勤時間を調整する」など、できるだけゆっくりとスタートできるような工夫をしてもらうようにしましょう。会社から復職を急かされたり「特別扱いはできない」などと言われたりした場合は、無理に復職するのは避けるべきです。
主治医や家族にも協力してもらいながら、自分のペースで復職を目指すことが何より大切です。